デニムは、計り知れない多くの手間と工程を経て、一本一本が仕上げられています。
原料が素材になり、素材が製品になるまでの「紡績」「染色」「織」「パターン」「縫製」「洗い」の各過程にこだわり、日本の伝統の技術を映し込んだ製品として仕上がっています。

高級デニムとして現在広く知られているアメリカンコットン、ジンバブエコットンをベースに数種類の綿を使用しています。
長綿糸でムラ感があり、この糸で織られたデニムはソフトで着心地がよく、着続けるとしなやかなヴィンテージの風合いになります。
素材を形成している糸は、昔ながらの手紡ぎにて試作の糸を作り、それを元に紡績に依頼し作り上げました。

糸を撚る時も、通常のムラ糸よりもあえてムラ感を強く出しています。デニム地にあらわれる独自のムラが、 ジーンズ魅力「たて落ち」を生み出します。

藍染は古式の方法で、藍の茎葉を木桶に入れて暖かい季節に自然の温度で発酵させる染色法です。
熱を加えずに発酵させることから、「正藍冷染め」とも呼ばれます。

井原の坂本デニムの会長さんが開発した最濃色で、他社では使われていない希少性の高い藍色です。
最濃色ですので、洗濯を繰り返す度に濃淡の差が大きく現れ、色落ち感を存分に楽しむことができます。

縦糸の染めは、ロープ染色による最濃色のインディゴ染めで深い色合いを出しつつ、アタリやタテ落ちがでるように中白に染めています。
(ロープ染色=コットンの糸をロープのように束ね、染める方法です。中白に染めるには最も適した方法です。)
(中白=デニムのたて糸は、芯が染まっていない白い状態です。)

日本でも有数の機屋さんの中でも帆布の織物生産している機屋さんにお願いして織り上がりました。
旧式力織機を使用し、生地の表面に凹凸を出し、穿いていく過程での色落ちを最大に楽しめるようにしています。

量産タイプの高速の織機では、生地を織る際に経糸を強く張るために、凹凸のないフラットな生地になってしまいますが、旧式力織機ならゆっくりと生地を織ることができます。
そのため織り上がった生地は、糸本来のムラ感に織りのムラが加わり、生地表面にデニムのタテ落ちに欠かせない凹凸が現れます。

ヴィンテージデニム同様の独特の「ねじれ」や「縮み」をあえて出すために、生機(キバタ)を使用しています。
(生機=織り上がったばかりの織機からはずしたままの生地)

one of one のシルエットは、その形にたどり着くまでに何度もパターンの改良を重ね、サンプルを作り完成したものです。
ジーンズのことを知り尽くしたファクトリーブランドならではの繊細な感覚で、デニム特有のねじれや縮み、縫い方や二次加工までも考慮し、穿き続けても崩れないシルエットに仕上がっています。

縫製は各パーツによってそれぞれミシンを使い分けています。大変な手間がかかりますが、その結果細部にわたってジーンズ本来の良さが現れます。

加えて、縫製のポイント部分にはヴィンテージのユニオンスペシャルのミシンを使っています。
低速の縫製速度と、旧式のミシン構造からくる独特の糸テンションや表情・質感は、最新のミシンでは味わえない「本物」のアタリになって現れます。
one of one の製品は、ユニオンスペシャルの熟練者が縫製を行い、完成度の高い製品になっています。

また、ジーンズをいつまでも美しく穿いていただきたいという思いから、強度に優れたコアヤーンをステッチに使用ました。
糸の切れやすい部分には特に気を遣い、運針の幅を小さくして切れにくくしています。
(コアヤーン=ステッチ糸で、ポリエステルを芯にしてその周りをコットン(綿)で覆った糸です。ポリエステルの強度と、経年退色する綿の良さを兼ね備えています。)

ステッチワークは、数種類の番手・色・素材の縫い糸を使用し、穿きこんでいったときの色落ち(アタリ感)をイメージしてステッチの運針やミシンの調整をしています。

大量生産の機械的で直線的な縫製とは違い、手仕事を実感できる遊びのある縫製になっています。
見せない部分や、細かな所まで手間を惜しまず、マニアックな作りになっていて、単なるレプリカモデルとは異なったコンセプトの製品になっています。